落ち葉 第一章

 最初に思っていたより、落ち葉は少なかった。樹木のほとんどが常緑樹なのだ。秋も終わる頃だが、木々の枝には青々とした葉が茂っている。季節感がないといえばそれまでだ。しかし仕事の手間は減るので、僕としてはありがたい。

 さっそく公園の片隅の小さな物置へと向かう。錆びているのか少々引っかかるものの、さして苦労なく鍵を開けられた。まだ寒さに指の凍える季節ではない。スコップやポリバケツなどには目もくれず、僕は黄色いゴミ袋と竹箒を選び出した。時給三千円、勤務時間は二時間。僕が友人のコネで紹介してもらった、公園清掃のアルバイトだった。

第二章へ

ご連絡はm.ail@hotmail.co.jpまで。