落ち葉 第四章

 掃除するだけで時給三千円だなんて、そんなバイトにありつけた自分は随分と運が良いと思っていた。所詮掃除、と高をくくっていたのである。それどころか、掃除が早めに切り上がれば公園を散歩しようという計画さえあった。作業は遅々として進まず、あの人にかなり助けられたことは言うまでもない。都市特有のやけに広いこの公園の中では、僕はあまりに無能だったのだ。

 それでも数日続けていると、僕にも精神的な余裕が現れてきた。考えてみれば、このだだっ広い公園が全て僕一人の担当だというのも変な話だ。もしかすると今の僕は仕事が丁寧すぎるのか、あるいはもしかすると、あの人が毎朝掃除しているのを見越した上でのことなのか。

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